5月27日、THEOから「THEOの手数料割引プログラムにつきまして」とメールが届きました。内容は今までの手数料体系を7月から変更するということで、以下、その件について書きたいと思います。
現在の手数料体系
現在の手数料体系は細かい条件は色々とありますが、一言でいうと
「資産残高に応じて手数料が決定される」
です。以下のテーブルを見てもらえれば分かるようにひと目で分かるシンプルな手数料体系となっています。
資産残高 | 手数料(税込、年率) |
---|---|
– | 1.100% |
1万円以上50万円未満 | 0.990% |
50万円以上100万円未満 | 0.880% |
100万円以上1000万円未満 | 0.770% |
1000万円以上 | 0.715% |
変更後の手数料体系
変更後の手数料体系は以下の図のようになっています。
THEOのページに記載されている言葉をそのまま使うと、新しい手数料体系は
「前月末の預かり資産残高に対し、各テーブルに該当する部分に割引率を適用します」
となります。
しかし、図をよく見ても
「結局手数料はいくらになるの」
が分かりません。
上図において、THEOは前月末の預かり資産残高が550万円の場合の例を示していますが、「1,2,3の合計が当月の手数料」と書かれているだけで具体的な数値が記載されていません。ということで、550万円の時の手数料を計算してみます。
100万円 x 1.00% + (300万円 – 100万円)x 0.95% + (550万円 – 300万円)x 0.90%
= 1万円 + 1.9万円 + 2.25万円
= 5.15万円
5.15万円/550万円 = 0.936%
以上より、預かり資産残高が550万円の場合、手数料は0.936%(年率、税別)となります。
参考までに資産残高が100万円から3000万円における手数料のグラフを載せておきます。
感想
資産残高が550万円の場合、手数料は
現在:0.770%
変更後:0.936%
となるので、値上げとなります。THEOで運用しているほぼ全ての人は値上げになるのではないでしょうか。ただ、私は値上げが悪いことだとは思いません。インフレ時代に値上げするのは当然ですし、商品の価値が値上げした価格に見合わないと思えば、その商品を購入しなければよいだけです。
ラップ商品はTEHOだけではありません。ラップ商品は安定した手数料が入りますので、各証券会社が力を入れており、乗り換え先に困ることはありません。現状、dポイントを使った投資はTHEOでしか出来ないと思いますが、いずれマネックス証券のファンドラップであるON COMPASSが対応することでしょう。
今回の変更で一番駄目だなと思ったことは分かりづらいことです。厳しい言葉でいうと、騙そうとしているように思えることです。
- 資産残高に応じて手数料が記載されているので、図を一見しただけでは更新後の手数料体系は現在のものとあまり変わらないように思える。
- 現在の手数料は税込で表示しているのに、更新後のものは税別で表示している。
- 具体的な手数料の値を示していない。
などが気になります。
再度書きますが、手数料を上げることが悪いとは思いません。それを上回るリターンが得られるのならば問題ないことです。駄目なのは顧客に寄り添わないことです。値上げしたのに値上げしていないように見せかける行為は絶対にやってはいけないことです。ラップ型資産運用では運用を全て任せているので、信頼関係がとても大切です。