10月11日、「PayPayアセット、25年9月事業終了へ 業績低迷で」というニュースが流れ、驚きました。早速、PayPayアセットマネジメント株式会社のホームページを確認すると、「PayPayアセットマネジメント株式会社の今後の予定について」という記事が掲載されており、事実のようです。
現在、携帯電話大手四社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天)が経済圏争いを繰り広げる中、PayPayアセットマネジメントはソフトバンク(PayPay)経済圏の金融分野を担うと考えていましたので、事業終了には驚きを隠せません。
このニュースを読んで、投資信託における信託報酬率の競争は終焉を迎えたと感じました。例えば、マネックス証券のファンド検索で「NASDAQ」と入力すると、PayPay投信のNASDAQ100インデックスファンドが、信託報酬率が安いファンドの中で2番目に位置づけられます。他のPayPayアセットマネジメントのファンドも信託報酬率が安いと推測されますが、資金が集まらなかったことを考慮すると、信託報酬率が低いからといって多くの資金が集まるわけではないと言えるでしょう。
多くの人が購入しているオールカントリーやS&P500に連動する投資信託には、eMAXIS Slimという絶対的な王者が存在しています。資金を集めるために他のファンドは、楽天プラスシリーズのように楽天ポイントが貯まるなどの付加価値を付ける必要があると思います。
信託報酬率の安さだけでは資金が集まらないとするならば、どのようなファンドに多くの資金が集まるのでしょうか。その答えは、魅力あるファンドに資金が集まるということだと思います。
10月4日、楽天証券から「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)販売開始からわずか7日間(5営業日)で残高100億円達成!」というニュースリリースがありました。私も楽天・高配当株式・米国ファンド(通称、楽天SCHD)を少し購入しており、基準価額の上昇と分配金の両方が期待できる大変魅力的なファンドだと思います。
信託報酬率の安さ競争よりも、内容の競争の方が健全です。各アセットマネジメントには、私たち個人投資家に魅力あるファンドを提供することに注力し続けて欲しいと思います。